2012年8月4日土曜日

オートインジェクターの取り扱い方法 ~ICI (陰茎海綿体注射)~   画像無し版

陰茎海綿体注射で検索しても、ボールペンサイズのインジェクターの写真があるくらいで、なかなかピンと来ない方も多いと思います。


他にネットに出てくる情報と言えば、局所の注射なので、心疾患があっても使用可能、ということなどでしょうか。

診療にいたる流れに関しても、追って記事にしたいと考えていますが、まずは、注射、注射って、実際どんな感じ?ということもあるかと思いますので、先にこちらを作成しました。

ちなみに本記事を参考に、HPにも掲載予定です。(作成されたら下記リンクが有効になる予定です。。)
http://ah-clinic.com/ed-inj.html


さて、説明です。
まず、以前の投稿でも使った写真ですね。
【写真部分】

ネットで検索しても、当院のオートインジェクターは殆ど出てこないと思います。
ネットに出てくるボールペン型との差異を記載しておきます。

◆ インジェクター、注射器共に 『医療機器の承認』を取得しています。
私の聞き及んでいる範囲では、ボールペン型のインジェクターは、医療承認は取得されていません。インジェクターの卸の方から、どうしてもボールペン型が必要であれば、業者さんは紹介頂けるとのお言葉は頂きました。
ただ、万が一でもトラブルが生じた場合、全てのツールが医療機器としての承認を受けているのか、はたまた厚生労働省の認可を受けていないのか。
これは、アラガンのボトックスでも述べていますが、私は患者さんの安全性を優先したいと考えています。

◆ また、サイズ的にはコンパクトな方が目立ちにくくて良さそうにも思えますが、当院のものも形状はペン型であり、かばんなどの中でも収納に関しては、それほど邪魔にはなりません。
そもそも、胸ポケットに刺して持ち歩く性質のものではない、というのが私の考えでもあります。

◆ また、ICIを利用する年齢層を考えると大体50代以上の方が多いと思われますし、場合によっては80代、90代の方も患者さんとして対象になりえます。
自分がその年齢になった場合、小さいペンより、適度に大きさがあった方がいいのでは?と思いました。
 そういう視点に基づいてグリップ感などをチェックすると、なるほど安定しているように思えます。

 注射時には右利きであれば、左で陰茎を持ち、固定し、右手でインジェクターを持って注射するのが一人で行う場合の基本です。

 この場合ボールペンを持って陰茎に押し当てるのと、当院のインジェクターを押し当てるのでは、私には大きい方が安定性があるように思えました。
また、これはパートナーの方に行ってもらう場合でも同様ではないかと思います。

【写真部分】
 針のサイズは29G。 前回書いたように、32G針をお腹に刺しても痛みは全く感じませんでした。このサイズは恐怖感との闘いであり、実際に注射をすると、
痛みを感じない、 もしくは、 液剤注入時に少し感じる?という方が多いようです。
ただ、これだけは、とにかく経験してみるしかないようです。

 全く感じず、『ほんとに入ってる?』と思われる患者さんがいるのも、また事実ではありますが...。
 ちなみに、すいません、私はそう書きつつも、まだ注射薬が不要な事もあり、トライしていませんが...。<(_ _;)>
 これは、仮に私が経験して、私が痛くなかったとしても、『無痛』と思われない患者さんが0になる、ということにはなりませんので、ご理解ご容赦ください。(^_^;)
ただ、患者さんの話を聞かせて頂いていると、自分にも必要になった時でも、結構抵抗無く出来そう、とは思っています...。


 さて、インジェクターをばらしました。

 この中に、下の注射器が入ります。注射器は、BDプラスチパック 29Gです。
添付文書はこちらです。
 30Gもあり、文献上も30Gを使われている先生もいらっしゃるようです。

 ただ、細い分、若干とはいえ注入に要する時間が増える可能性もあり、29Gでも痛みを感じない患者さんもいるレベルの痛みと思われますので、当院では手技の標準である29Gを使用します。

【写真部分】

こちらが注射器のアップです。
【写真部分】

インジェクターを中央で外します。
【写真部分】

向かって左、先端側をひっくり返します。
【写真部分】

そのまま奥まで押し込んでいくと、
【写真部分】

カチッと音がします。
【写真部分】

音がなったら、先端側を外し、注射器を中に入れます。
【写真部分】

そのまま、締めて合体させます。
【写真部分】

これで、準備完了。(右の頭部にロックも付いています。これは実際の時には説明いたします。)
あとはインジェクターを陰茎に押し当て、頭のボタンを押すと、
【写真部分】

このように針が出て、薬液が注入されます。

 薬液は勃起度と持続時間の希望も聞きながらある程度量の増減を行いますが、基本の量では、最もシビアなEDの方で0.6mlです。

 これより少し多めにカウントしても、大体3秒程度でしたので、ボタンを押して注入を開始し、6~7秒保持していれば、ほぼ確実に薬液は注入されていることになります。
 
 勃起は大体数分で開始し、オフィステスト(院内で、問診を参考に投与予定量の2/3程度の量で行います)では5分経過時と10分経過時に陰茎長を測定し、注射前とサイズを比較します。
なんとなくですが、イメージはつかめたでしょうか。

検討の一助になれば幸いです。

0 件のコメント:

コメントを投稿